波及事故による地域停電を回避するためにビルオーナーさんや工場オーナーさんが知っておいたほうがいいこと

02.052015

この記事は4分で読めます

突然ですが・・・

オーナーさん(社長さん)

 

損害賠償 1億円 支払いを命じます。

 

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さあ、あなたならどうしますか?

 

仮にあなたが大富豪で1億円ぐらい大丈夫!

ぽ〜〜〜〜ん どさっ!

と払える方なら問題にはなりませんね。

 

1億円をポンッと出せる方はおそらく

かなり少数派に属すると思います。

 

大半の方は1億円の支払いを命じられたら

まず、ドキッとかびっくりしてしまうでしょう。

 

ちょっと怖いお話

あなたがとある施設のオーナーさんだとします。

その施設の設備の不良や劣化により

停電が発生しました。

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電気が漏れ出てしまったのです。

 

しかし・・・

 

話はそこでは終わらなかったのです。

 

なんと、漏れ電流がそのまま

電線をつたって近隣800所帯、

地域一帯を停電させてしまったのです。

 

地域には

学校、病院、スーパー、工場・・・

ありとあらゆるところで電気を

使って生活を営んでいます。

 

特に怖いところは

人の生死に関わるところです。

 

街中の信号機は止まり交通網はパニック。

病院の機械は止まり病人や関係者は混乱。

 

また、最近はどこの会社・企業にも

パソコン機器があります。

データの消失が損害に直結します。

 

冷凍食品会社では

凍結マグロが溶けて

商品価値がゼロ。

 

と例をあげれば際限はありません。

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1回の波及事故による地域停電で

数千万、数億円の損害賠償は

十分ありうるのです。

 

(最近はバックアップ電源を各自で用意している

ところが増えていますので全てにおいて損害賠償

請求がされるかといったら全てではないかとは思

いますが、損害を与える可能性は十分に検討する

価値があると思います。)

 

波及事故とは

  • ある所で起きた事故が原因で近隣や

その地域の電気設備にも停電などの

影響を及ぼす(波及する)こと

 

  • キュービクルで起きた事故が

原因で、電力会社の配電線を通して

近隣の施設に停電が広がる事故のこと

 

損害賠償請求

波及事故を起こした側(加害者)と、

他の需要家(被害者)の間には、

普通は何も契約関係がありませんので、

賠償は当事者間の交渉しだいですが、

双方の主張が対立すれば、

あとは裁判で決着をつけることになります。

基本的には当事者間での話し合いです。

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法律(民法)では故意または過失による場合に

損害賠償義務を負うことになっています。

故意は当然として、

具体的にはどこまでが過失と言えるかが争点になります。

 

これは過去の判例や個別の事情を参考に判断されます

電力会社の約款によれば電力会社は

電力会社の責任でない停電の損害は賠償しません。

したがって自然災害や電力会社以外の設備による

波及事故の停電は電力会社は賠償しません。

電力会社は自己の責任以外の停電による賠償は支払いません。

 

ただし、受電設備の故障が波及して

電力会社の設備を損傷させたときは、

その損害を電力会社に賠償しなけれなりません。

電力会社に損害を与えたときは支払いをしなければいけません。

 

原因

そもそも、なんで電気は漏れたのでしょうか?

 

多くは設備の老朽、劣化、不良です。

機器本体だけでなく、配線、ケーブル

等も含みます。

 

対策〜その1〜

では、どうすればよかったのでしょうか?

 

機械やケーブルは無限のものではなく

有限のものですので、ある一定期間を

もってダメになるということが大前提です。

 

その上で、

  • 耐用年数
  • 絶縁数値測定

を把握しておけばある程度判断はできます。

(まだイケるorそろそろヤバい など)

 

まずはきちんと電気主任技術者に

  • 月次点検(毎月や隔月の点検)
  • 年次点検(年に1回の精密点検)

を依頼してください。

 

定期的に点検をすることで

数値変化を見ることができますので

異変が現れてきたら、オーナーさん

であるあなたに報告があるでしょう。

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その報告をもとに、設備の交換や補修を

検討していきましょう。

 

多くは経年劣化ですので、

一気に悪くなることは

あまりなく、徐々に変化

していくことが多いです。

 

地域停電

さて、上記の地域停電はなぜ起こったのでしょうか?

 

それは、あなたのところから発生した

漏れ電流が電線をつたって

電力会社の配電用変電所の

異常を検知する装置が作動し、

遮断装置が切れてしまったからです。

 

火災や故障を発生させないために

自らブレーカーを落としてしまったんですね。

(電気火災とか怖いですからね)

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対策〜その2〜

波及事故を防ぐためには次のような対策が必要です。

 

①保護装置の設置
地絡遮断装置や短絡事故に対する過電流遮断器を設置しましょう。
また、高圧の設備は雷にも弱いので、避雷器(アレスター)も設置しておくとよいでしょう。

 

②信頼性の高い機器
機器は、品質性能が適切なものを選びましょう。
例えば、海岸に近いところでは、ケースが鉄板製ではなく、

亜鉛メッキ製かステンレス製の耐塩仕様のものにするほうが得策です。
また、引き込みケーブルの端末部分も劣化しやすいところですから

絶縁性能の良いものを使いましょう。

 

③劣化機器の取替え
適切な点検を行って異常の早期発見をするとともに、

老朽化した機器は早めに取替えましょう。
機器の寿命は一概にいえませんが、屋外設置で潮風にあたるものは、

数年で故障が多発するものもみられます。

 

 

まとめ

  • 波及事故を起こさないために、

対策その2の①に記載してある

保安装置の設置がおすすめです。

 (PAS・UGS等)

 

  • 保安装置が正常作動することにより

外部への波及はなくなります。

 

  • 費用の目安は損害賠償を考えれば

1/10〜1/100ぐらいです。

保険をかける感じです。

(あっ、決して業者のまわしものではありません)

 

  • 波及事故を起こすと、イメージダウンや大きな損害につながりかねません。

日頃から設備の様子に気を配るとともに、保護装置の点検や設置の相談を

電気主任技術者にしてみてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

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コメント

    • 秋山正利
    • 2015.12.17

    USGも取り付けたのでこれで安心と思っていましたが、先日の川崎市での停電事故は
    ちゃんとUSGが装備されていました。ところが開閉器にネズミがはさまったままにな
    って地域の停電事故になったそうです。やはり保険とかを探しておくべきでしょうね。

      • yasuda
      • 2015.12.18

      秋山様
      コメントいただきありがとうございます。

      PASもUGSもついているとかなり安心します。
      そこから当然油断もでてくるのですね。

      今回の情報によりこういったケースがあるということも
      追加されました。

      ありがとうございます。感謝です。

      小動物対策は必須ですね。

      また保険も検討すべきなんでしょうね。

      やはりビルが自家発電できるぐらいの
      装置が普及することを願いますね。

      そうすれば波及しませんから・・・

      いつになることやら・・・

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電気管理人 安田浩則

安田浩則 


東日本大震災をきっかけに
電気の世界に導かれて

【電気管理を本業とする者】

になりフリーエネルギーを用いて
電気の自給自足を目指しています。

 →安田浩則のプロフィールはこちら